2013年6月2日日曜日

CPC 複合放物面集光

光を扱うとNonimaging opticsで扱えるものとImaging opticsで扱わなければならないものとがあります。前者は集光光学系、後者は結像光学系と言えるでしょう。

私達の開発の多くは前者のNonimaging opticsで、如何に効率よく集光するかが重要となリます。
ここ数年、複合放物面集光(CPC)と呼ばれる便利な集光光学系が安価に入手できるようになり重宝しています。

写真では左側のファイバー端から放射された光が、エアギャップを通過し、右側のCPCに入射しています。下側の写真ではCPCの集光端(右側)に集められている様子がわかります。

CPCの強みは、ある程度の放射角をもった光でも集光できることで、特に拡散光の集光には有効です。

私達はこのような光学部品の選定を含めた装置化をおこなっています。

2013年6月1日土曜日

中波送信所 --- ニッポン放送、アール・エフ・ラジオ

電波の日という訳ではありませんが、中波放送の送信所位置を眺めていて、ふと疑問が・・・。
関東広域圏局であるTBSは埼玉県戸田市、文化放送は埼玉県川口市に送信所があります。もう一つのニッポン放送の送信所は千葉県木更津市にあります。木更津で関東広域圏を対象とするにはちょっと不思議な位置ですが、人口分布までを考えると益々、不思議な位置です。

アール・エフ・ラジオ送信所
そこで、調べをすすめていくとAMプリエン物語という書籍に行き当たりました。そこにはニッポン放送の送信所移転、増力(送信出力アップ)、周波数変更等の経緯が書かれており興味深い内容でした。

その中で、木更津送信所では指向性を持たせているとの記述があり、しかも導波型で。。。
早速、Googleマップで(35.39683,139.987535)を検索すると、主鉄塔の北側に副鉄塔らしきものが確認できます。その延長線方向は東京、埼玉方面のようです。これで木更津にあってもよいわけですね。

ダウンリード終端
そんな観点でみると不思議な送信所が更にあって、それがアール・エフ・ラジオ日本。神奈川県を放送対象にしている局ですが、 送信所は東京都と神奈川県の境界で多摩川河川敷、神奈川県川崎市幸区(35.548292,139.699632)にあります。今はどうか分かりませんが、ある意味で貴重な場所で、50KWもの送信出力を出しているにもかかわらず送信アンテナの直下まで行けてしまうというところ。その写真を見返してみると、確かに指向性をもたせる為のダウンリードが写っていました。

今ではインターネットでクリアなストリーミング放送を楽しむことができますが、 送信技術者の方々のご苦労に思いを馳せながら混信やフェージングというスパイスが効いた空間波を受けるのも一興かと思います。

2013年5月30日木曜日

蛍光検出 --- デバイス編

光関係では「微弱な光を検出する。」、「蛍光を捉える。」という
テーマがあります。
浜ホト製PMT、I-Vアンプ
幸いにも日本にはノーベル賞を支えていると言っても過言ではない浜松ホトニクスという光デバイスメーカがあります。これは光関係者にとっては強力なインフラと言っても良いくらいにありがたい存在です。

日亜製LED(365nm、400mW)を使用した励起光源
次に蛍光検出の為には励起光が必要ですが、可視域で
あればあらゆる発光デバイスが入手できます。
しかし、励起用途ではスペクトルの広がりは慎重に検討しなければなりません。
紫外領域であればなんといっても青色LEDで有名に
なった日亜化学の製品が安心です。(スペクトルは
確認しなければなりませんが。)

更にLEDでは細かなリクエストに応じて頂ける株式会社エピテックスも貴重な存在です。

今や国産CPUは影を潜め、機能ICも元気のない日本ですが、私達のような用途で使用する光関連デバイスは良い物があり恵まれています。しかし、O/E、E/O部分以外はMADE IN JAPANの文字がないのはさびしい限りです。

2013年5月29日水曜日

Voyager of the Seas 入港

4/27に東京港に世界最大級の豪華客船Voyager of the Seasが入港しました。
高さの制約からレインボーブリッジを通過できないので大井埠頭に着岸だそうです。
写真は青海南ふ頭公園から撮影。
大井埠頭から出港

こういう出港風景をみていると、モールスの入圏、出圏通知が聴こえてきそうです。

そんな郷愁のあるモールスが廃止されてから10年以上が経ち、今では自動船舶識別装置のお陰でネット上で誰でも船の位置や動向を知ることができます。

http://www.marinetraffic.com/ais/

職場は海から近いので気になる船がいれば、
AISデータからすぐに調べられます。

AISは国際VHFの161.975MHz、162.025MHzでFM/GMSK、9.6Kbpsという仕様のようですから、SDRで十分に復調できそうです。

2013年5月28日火曜日

GNU Radioとは

最近、GNU Radioと呼ばれているソフトウェアに注目しています。

これはソフトウェアで無線信号処理をおこなってしまおうというもので、SDR (Software Defined Radio)と呼ばれています。その起源は米国の軍事的なニーズにあります。
現代戦はNCW(Network Centric Warfare)、ネットワーク中心の戦いと呼ばれているようにあらゆるシステムをネットーワーク化し、統合運用する必要があります。これが統合戦術無線システム、JTRS (Joint Tactical Radio System)として具体化されているわけです。

このように軍事的ニーズに端を発したSDRですが、私たちの周りには強力な使い切れない程の計算能力をもつPCがあり、ソフトウェアも容易に入手できることから身近になりつつあります。

このソフトウェアの中身は信号処理アルゴリズムの宝庫であって無線信号処理だけでなく他の信号処理にも使えそうです。(実際に使えます。)おまけにリアルタイム性があるので実用的です。

これらSDRのプラットフォームはGNU Radioの他にもOSSIE 、Irisがあり、それぞれ特徴をもっています。組込み用途ではOSSIEやIrisも検討対象です。

私達は信号処理理論をバックグラウンドとして、GNU Radioをなどオープンソース・ソフトウェアの応用を考えています。

2013年5月27日月曜日

RFワールド --- CQ出版

RFワールドという雑誌がCQ出版から出版されています。
この雑誌のコンセプトは”ブラックボックス化された無線技術を理解する。”ということ・・・だと思いますが、今の無線技術は驚くほど存在を意識させないようになっています。

ここで言うブラックボックス化はふたつの意味があると考えています。

ひとつは、

高周波回路がIC化されて、個別機能部品が見えなくなり回路を追うことができなくなった。

そして、もうひとつは、

無線LAN内蔵PCのように無線機能が装置に内蔵され無線装置どころかアンテナまでもが目に見える存在ではなくなった。

この雑誌が創刊されるとの情報を知った時は楽しみでしたが、ひょんな事から記事を書かせて頂く機会を得ました。

タイトルは”写真で見る軍用艦船のアンテナ”。本当はアンテナではなく”空中線”がよっかたかもしれませんね。

昔ながらの無線屋さんは”アンテナ”ではなく”空中線”という響きが好きなはずですよね。
特に大空に開口していれば。。。

2013年5月26日日曜日

測距原理(2) --- TOF (Time Of Flight)

測距技術の基本方式がTOFと呼ばれているものです。飛行時間ですから、文字通りに目標までの光の往復時間を計測して光の速度をかければ求められます。原理だけは小学生でも分かります。

2.2m先からの反射パルス
しかし、光の速度は秒速30万Km、1秒間に地球を7周半、月まで約1.3秒という表現されように測距技術から考えると本当に困るほどの超高速です。仮に10m先のターゲットからから反射してくる時間は1億分の6.7秒(67nsec)。1cm単位の距離が知りたければ1000億分の6.7秒(67psec)という短い時間を計測しなければなりません。

 
汎用測距実験装置(社内用)

確かに研究室レベルであればダイレクトに計れる測定器はあります。しかし、フィールドにそんな測定器を持ち出すことは現実的ではありませんし、価格まで考えるとますます現実離れでしょう。

実際に単純なTOFの方式の場合、数十cmの分解能と考えてよいでしょう。これは現実的に製作できるカウンタ回路は数100MHzで、時間分解能は数nsec程度という数値を想定しています。

 ゴルフの用途に使われている距離計はこの方式が主に採用されています。精度も1ヤード程度あれば十分ということもありますが、レーザの目に対する安全性などもこの方式が採用される理由となっています。