最近、GNU Radioと呼ばれているソフトウェアに注目しています。
これはソフトウェアで無線信号処理をおこなってしまおうというもので、SDR (Software Defined Radio)と呼ばれています。その起源は米国の軍事的なニーズにあります。
現代戦はNCW(Network Centric Warfare)、ネットワーク中心の戦いと呼ばれているようにあらゆるシステムをネットーワーク化し、統合運用する必要があります。これが統合戦術無線システム、JTRS (Joint Tactical Radio System)として具体化されているわけです。
このように軍事的ニーズに端を発したSDRですが、私たちの周りには強力な使い切れない程の計算能力をもつPCがあり、ソフトウェアも容易に入手できることから身近になりつつあります。
このソフトウェアの中身は信号処理アルゴリズムの宝庫であって無線信号処理だけでなく他の信号処理にも使えそうです。(実際に使えます。)おまけにリアルタイム性があるので実用的です。
これらSDRのプラットフォームはGNU Radioの他にもOSSIE 、Irisがあり、それぞれ特徴をもっています。組込み用途ではOSSIEやIrisも検討対象です。
私達は信号処理理論をバックグラウンドとして、GNU Radioをなどオープンソース・ソフトウェアの応用を考えています。
2 件のコメント:
聞くところでは、最近発売されている高級?無線機はSDRを使っているらしいですが、実際の通信に、どのような影響を及ぼしているのでしょうか?GNUは実用になってきたのでしょうか?このソフトの応用は広いと聞いています。貧乏なHAMの立場からすると、これらのSDR技術を駆使して、安価で便利+高機能な無線機の登場が待ち遠しいです。
研究・技術陣のかたがた、ぜひ頑張られてください。
Kellyさん、コメントと励ましのお言葉ありがとうございます。
確かに、SDRは高級なアマチュア無線機のカタログ上では、よく使われている言葉ですね。しかし、DSPラジオモジュールに代表されるように、安価なラジオチップもSDR化されていますので、けっして、SDR = 高級とも言えなくなっています。
GNU Radioは研究用途では実用的に使われている部分もあると言えますが、まだ、どちらかというとGNU Radioを動かす事、既存の通信方式を真似たりというレベルも多いように思います。GNU Radioが広く使われる為にはRFフロントエンドが貧弱ですので、この部分が今後のキーだと思います。
Kellyさんがおいくつくらいの方は分かりませんが、昔、HF機にトランスバーターを付加して50、144MHzを運用するようなことが行われていましたが、そのようなものが復活するかもしれません。
FPGAを含めた広義のSDRでは、地デジ放送、WiFi、LTE等の複雑かつ状況に応じてモードを切替えたりする変復調方式はSDRでなければ成し得なかった訳ですから、実は身近にSDRは存在しています。
既にご存知かも知れませんが、SDR技術を有効に活用するためには電波法の規制が問題になりそうです。コグニティブ無線とSDR技術が有機的に結びついた無線の世界はダイナミックで面白そうです。
ただ、私のような昔ながらの無線好きの身としてはマウスとキーボードで操作する無線機はちょっとさびしいですね。。。
時々、記事をアップしていきますので、お時間のある時に覗いてみてください。
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