通信やレーダーの技術をベースに他分野の開発に携わると、あの技術が適用できるとか、逆に、こうすれば通信のあの技術が使えて解決できそうと思えることがあります。
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米艦艇に装備されたFURUNO(日本)製のレーダ
※ある国ではレーダのことを”フルノ”と呼ぶらしい。 | |
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例えば、吸光度(光の透過率)を計測する場合、普通は透過光をPDで受けてI-V変換してADCに取り込んで・・・。
これをデジタル通信の考え方を取り入れるとどうでしょう。
誤り率の計測でレベルが逆に推定できるのでは・・・。
となると、吸光度計測が電圧の計測ではなくカウントでいけるのでは?
こう考えると、”光量 vs 電圧”だったものが、
”光量 vs カウント数”となり、全く物理量の違う計測でできる
のではと想像されます。
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2波長吸光度計測実験 |
もう一つ、計測対象のS/Nが悪い場合、信号源のパワーを上げたり、低ノイズOPアンプを探してノイズフロアを低下させたり等、真っ当なアナログアプローチを考えます。
ここで通信の誤り訂正符号の考え方を導入するとどうでしょう。
符号化利得が得られのでS/Nが改善するのでは?と想像できます。
しかし、いくら通信やレーダ技術を!と言っても、そのものずばりのハードウェアを用意するには大変です。
幸いなことに、今では有り余るPCの計算能力が身近にあり、一昔前までは困難であった信号のリアルタイム処理がソフトウェアで処理できる計算パワーがあります。また、ソフトウェアもLinuxで代表されるようにいろいろなOSS(Open Source Software)が自由に入手でき、目の前の課題に対して適度な粒度で考えることができるようになってきています。
この適度な粒度という部分が大切で、例えば、FFT を使おうとする人の誰もがFFTアルゴリズムを書く必要はないと思うのです。検証されている部品を有効に使って課題解決の効率をあげることの方が重要です。
ネジ止めをするのにネジやドライバから作る人は誰もいませんよね。