2013年6月3日月曜日

誤り訂正符号のゴール

私達はセミナーをやらせていただく際に、この技術を理解するとこんなメリットがありますと最初に提示させて頂くように心がけています。マラソンや登山を考えると分かりやすいのですが、ゴールが見えないと普通は頑張れませんから。


以前、ある会社様のご依頼で誤り訂正符号の勉強会をやらせて頂きました。
その時の誤り訂正符号の勉強会では、誤り訂正符号のゴールは符号化利得にあると強引に定義しました。それはその会社様のニーズが明確になっていた為です。

電波法で微弱無線や特定小電力無線においては小さな送信電力しか認められていません。
その制約の中で如何に遠距離まで通信できるようにするかという方法を考えると、・許容限界までパワーを上げる。・受信性能を上げる等など。しかし、電界強度規定や送信アンテナ利得制限がありますから些細な向上でしかありません。受信アンテナに巨大パラボラアンテナを使える方は別ですが。。。

現状あるもので何とか到達距離を伸ばしたいという場合は、誤り訂正符号を導入するとどうでしょう。伝送効率は低下しますが、それを許容できる通信であれば、符号化利得が得られますからその効果は大きいものとなります。この勉強会をやらせて頂く前は誤り訂正符号は文字通りに通信のエラーフリー化と思っていました。今にして思うと、回線設計をやって空中線利得や送信電力を決める。これができる世界は贅沢です。

その勉強会のお陰で、微弱無線で何とか通信をしたいと考えておられる方々には誤り訂正符号は遠距離化の為の有効な手段だとこちらが逆に勉強をさせて頂きました。

弊社のWebにその時のサンプル資料(抜粋版)を置いています。ご興味がある方はご覧ください。

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